令和8年 11月号
10月も後半になると、あれほど暑かった日々がうそのように、急に秋らしさを感じるようになりました。朝晩の空気はひんやりとし、日によっては冬の訪れも近いのかな、と感じることがあります。ついこの間まで汗をかきながら過ごしていたのに、季節はいつの間にか次の装いへと変わっていくものですね。
日本には昔から春・夏・秋・冬という四季があり、それぞれの季節にさまざまな行事や風習があります。春のお花見、夏祭り、秋の十五夜、そして冬のお正月。季節ごとの自然の変化を感じながら、その時期ならではの行事を楽しみ、家族や友人と一緒に過ごす時間を大切にしてきました。
最近では、私が子どものころにはあまり馴染みのなかったハロウィンや恵方巻など、新しい楽しみ方もすっかり定着してきました。時代とともに行事や習慣も少しずつ変わっていくものです。もちろん、それぞれの意味や由来を知ることも大切ですが、何かをきっかけに家族や友人が集まり、笑顔で楽しい時間を過ごす。そんな機会が増えることも、また素敵なことだと思います。
普段は仕事や家事、子育てなどで忙しく、ゆっくりと話をする時間がなかなか取れないこともあるでしょう。けれども、季節の行事やイベントがあることで、いつもより少し食卓が賑やかになったり、家族で出かけたり、普段とは違う時間を共有できたりします。そうした何気ないひとときが、こども達にとっても楽しい思い出として心に残り、明日からの元気になったり、人と人との絆を深めたりするのだと思います。
また、季節の楽しみ方は、何も大きな行事や特別なイベントだけではありません。道端に咲く花や色づいた木々、秋の風や空の高さなど、普段の生活の中にも季節を感じる場面はたくさんあります。子どもたちにとっては、落ち葉を拾ったり、どんぐりを見つけたり、冷たい風に頬をなでられたりすることも、季節を知る大切な経験です。何気ない日常の中にある小さな発見や感動を、大人も一緒になって楽しめたらいいですね。
一方で、せっかくの楽しい行事やイベントですから、忙しさやちょっとした行き違いからイライラしたり、周囲とのトラブルになったりしてしまっては、もったいないことです。人が集まる場所では、思いどおりにならないこともあるかもしれません。そんなときこそ少し肩の力を抜いて、「今日はみんなで楽しむ日」と、おおらかな気持ちで過ごせたらいいですね。楽しい時間は、自分だけでなく、周りの人も一緒に笑顔になれることで、より素敵なものになります。周囲にも気を配りながら、誰もが気持ちよく楽しめる時間にしたいものです。
これから秋が深まり、やがて冬へと向かっていきます。季節が変われば、見える景色も、聞こえてくる音も、楽しめることも変わっていきます。園でも、子どもたちが日々の小さな変化に気づきながら、今の季節ならではの楽しさをたくさん見つけてくれることを願っています。
大人も子どもも、慌ただしい毎日の中にちょっとした楽しみを見つけ、季節の移り変わりを感じながら、笑顔で過ごせる日々にしていきたいですね。
園長 藤本志磨