令和8年8月号
厳しい暑さが続き、まさに「酷暑」という言葉がぴったりの毎日です。私が子どものころは気温が30度を超えると「今日は無茶苦茶暑い!」、35度を超えると「噓でしょ⁉」と驚くような感覚でしたが、ここ数年は35度超えでも「またか」、40度越えでやっと驚くレベルになってきました。わずか50年でのこの変化を考えると、子ども達の50年後はどういうレベルになっているんだろうかと本当に心配になってしまいます。地球規模の話なので、私たち一人一人が今から何かを変えても、すぐに大きな変化が現れるわけではないかもしれません。しかし、未来の子孫のためにまずはできるところから何かを意識して変えていくことが必要かもしれません。
8月は、夏休みやお盆休みなど、家族で過ごす時間が増える時期だと思います。普段は仕事や家事に追われて忙しい毎日でも、この時期は少しだけ子どもとゆっくり向き合える時間が生まれるご家庭も多いのではないでしょうか。
子どもたちは、お兄さん、お姉さんになったように見えても、まだまだ甘えたい年頃です。「抱っこしてほしい」「一緒に遊んでほしい」「自分を見てほしい」そんな気持ちをたくさん抱えています。
しかし、忙しさや、下の兄弟や赤ちゃんのお世話などが続き、その気持ちを受け止めてもらえない日が続くと、子どもはわざといたずらをしたり、言うことを聞かなかったり、困らせたりするような行動をとることがあります。本当は「見てほしい」「甘えたい」という心のサインなのですが、大人は目の前の行動だけを見て叱ってしまい、親子双方にとってつらい思いをしてしまうことも少なくありません。
子どもは、親が忙しいことを頭では分かっているように見えても、心の中で折り合いをつけることはまだできません。子どもが感じるのは、「今日は自分を見てくれた」「たくさん甘えさせてもらえた」ということです。
だからこそ、この夏は子どもの心を愛情でたっぷり満たしてあげてください。忙しい時はたった30分でも構いません。「今日は(この時間は)あなたとの時間だよ」と伝えながら、抱きしめたり、一緒に遊んだり、ゆっくり話を聞いたりするだけでも十分です。赤ちゃんがいるご家庭では、赤ちゃんが眠っている間だけでも、「自分だけ」の時間を意識してつくってあげてください。「自分も大切にされている」という安心感は、子どもの心を大きく育てます。
子どもにとっての思い出は、どこかへ出掛けたことや何かを買ってもらったということだけではないはずです。大好きな人に抱きしめてもらい、一緒に笑い、「自分は大切にされている」と感じた時間こそが、子どもの心の中の最高の思い出に刻まれていくものだと思います。子どもの心のアルバムが、たくさんの笑顔と温もりでいっぱいになる夏になりますよう願っています。
園長 藤本志磨